「なぜなぜ分析」とは、生じてしまった問題と同じ問題を繰り返さないようにするために、「なぜ」という問いを繰り返すことで、問題の底に潜在する真の原因を追究し、真の原因への対策をする改善の技法のことをいいます。
なぜなぜ分析の目的
「なぜなぜ分析」の考え方は、「なぜ?なぜ?」という疑問を繰り返すことで、問題の根本的原因を見つけ出そうとするところにあります。
「なぜなぜ5回」といわれるように、「なぜそのようになったのか」を繰り返し問い続けていきます。
そうすることで真実の原因を調査しようとするものです。
なぜなぜ分析はヒューマンエラーに有効
「なぜなぜ分析」は、人間が関与するヒューマンエラーに対する分析及び対策の策定に適しています。
だからといって個人の責任を追及しようとするものではありません。
「なぜなぜ分析」では、問題の根本的原因は、個々の人にではなくシステムの中にある、という基本的な視点に立っています。
つまり、「なぜ問題が生じたか」を繰り返し問い続けることで、個々の現象に見られる個人の行動ではなく、システムの中にある真の原因にアプローチして、真の原因から防止しようとするものなのです。
[問題]→[現象]
→[なぜ]→[原因]
→[なぜ]→[原因]
→[なぜ]→[原因]
→[なぜ]→[原因]
→[なぜ]→[真の原因]
→[真因対策]→[真因防止]
「なぜなぜ分析」は生じてしまった問題に有効
「問題」は、「既に生じてしまった問題」及び「今後生じるかもしれない問題」に大別されます。
「既に生じてしまった問題」とは、過去及び現在の問題のことです。
「既に生じてしまった問題」については、なぜ問題が起こったかという真の原因を究明し、同じ問題を今後絶対に再発させないことが重要です。
「今後生じるかもしれない問題」とは、将来の問題のことです。
「今後生じるかもしれない問題」については、どのような問題が発生するかを想像し、危険への対策を前もって準備しておくことが重要です。
これらのうち、「既に生じてしまった問題」を冷静に受け止め、同じ問題を繰り返さないようにするための技術が「なぜなぜ分析」です。
真の原因を追究し、適切な対策を取ることで、ヒューマンエラーは防止できます。
再発防止を対策として、「なぜなぜ分析」は極めて有効です。