危険予知トレーニング(KYT)の進め方「KYT4ラウンド法(KYT4R法)」

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危険予知トレーニング(KYT)は、みんなの話し合いで危険要因(事故を引き起こす可能性がある状況や行為、出来事のこと。潜在的な事故原因。)を発見し、特に重要なものを抽出して、事故を未然に防止する対策を立てるとともに、安全のための行動目標として標準化する一連の活動です。

危険予知トレーニング(KYT)は、具体的には「KYT4ラウンド法(KYT4R法)」と呼ばれる方法によって実施するのが一般的です。

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KYT4ラウンド法(KYT4R法)

危険予知トレーニング(KYT)は、十分な話し合いができる5~6人くらいのチームで実施すると効果的です。
このあたりはブレインストーミングの実施方法が参考になるでしょう。

4ラウンド(4R)は、1現状把握、2本質追究、3対策樹立及び4目標設定からなります。

  1. 現状把握:どんな危険が潜んでいるか
  2. 本質追究:危険のポイントは何か
  3. 対策樹立:私たちはどうしたらよいか
  4. 目標設定:私たちはこうする

1 現状把握

まず、職場や作業現場などの日常の風景の写真やイラストをKYTシートとして、参加メンバーに提示します。
その中に、どのような危険が潜んでいるか、参加メンバーに危険要因を指摘させます。
危険要因をできるだけ挙げ、その危険要因と引き起こされる事故とを明らかにします。

ここではより多くのアイディアが出るようにすることが大切です。

危険要因の指摘は自由に行い、他の参加メンバーの指摘内容を批判は避ける必要があります。

ブレインストーミングのやり方を参考に、より多くのアイディアが自由に出てくるようにしましょう。

2 本質追究

指摘内容が一通り出揃ったところで、その危険要因の原因等について参加メンバー間で検討させ、危険要因を整理させます。

事故が発生する確率や、発生した場合の損失の大きさ、深刻さ等を考慮して、重要な危険要因を抽出します。

ポイントは、特に重要な危険要因や事故の引き金になる事柄を明らかにすることです。

特に重要な危険要因は、多く挙げればいいというものではありません。
メンバーで話し合い、できる限り絞込む必要があります。
2~3つの要因まで絞り込むのが一般的です。

3 対策樹立

整理した問題点について、改善策、解決策などをメンバーにあげさせます。

重要と判断した危険要因に対して、危険が現実のものにならないようにするためにはどうすればよいかを検討します。

4 目標設定

あがった解決策などをメンバー間で討議、合意の上、結果をまとめさせます。

3でできた対策のうち現実的で実効性のあるものを選び、同様の状況や作業における行動規範を、安全目標として標準化します。

合意結果は、工場内に掲示したり、朝礼などで発表したりして、メンバー間の共通認識として共有し、事前の危険回避を図ります。