なぜなぜ分析とその活用事例

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なぜなぜ分析は、日本の産業パワーの源泉です。
なぜなぜ分析の導入は、製造業のみならず、非製造業や官公庁のように産業構造の枠を超えて求められています。

ではなぜ、なぜなぜ分析が求められているのでしょう。

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なぜなぜ分析は真の原因にアプローチする

これまで、欧米で開発されたシックスシグマ、バランススコアカード(BSC)などの「プロセス改革」方法論を導入してきました。
しかしこれらを導入した日本企業の85%は、「初期段階において期待してい他目標を達していません」としています。

この原因のうちの1つは、個々の企業が保持するノウハウ無視され、「経営手法パッケージ」を盲目的に導入してしまうことにあります。
このような導入の方法には問題があることは確かです。
思考停止した「経営手法パッケージ」導入があまりに多いのです。

「モグラたたき的改善」からの「本質的改善」への脱皮は、さらに強力に求められています。
したがって、個々の企業が保持するノウハウを活かしつつ、正面から真の原因にアプローチする方法論への期待が高まっています。

そのひとつの方法が、なぜなぜ分析なのです。


なぜなぜ分析の活用事例

ある問題が生じたとします。

そこで、最初の「なぜ」です。
原因は「A氏が誤りを犯した」からです。対応としては、二度と間違いを犯さないようにA氏に警告することです。
しかし、それだけでは、個別対応に過ぎません。
なぜなぜ分析の本質である、問題の根本的原因にアプローチのために、「なぜ」を続けます。

そこで2回目の「なぜ」です。
「なぜ」A氏は誤りを犯したのか。
原因は、「A氏の仕事で使用するマニュアルに欠陥があったから」です。
そこで、そのマニュアルを改訂し、欠陥をなくします。
しかし、それでも、緊急対応に過ぎません。

そこで3回目の「なぜ」です。
「なぜ」マニュアルの欠陥があったのか。
以前B氏も同じマニュアルによる同じ誤りを犯していたとします。
この場合、原因は「B氏が誤りを犯した時、マニュアルを直ちに改訂しなかったから」です。
今後マニュアルの欠陥が見つかれば、直ちに改訂することになります。
A氏の誤りについては、これで大丈夫と考えていいでしょう。

個々の現象への対応なら、3回程度の「なぜ」でも十分です。

しかし、なぜなぜ分析では、さらに「なぜ」を続けます。
「なぜ」今までマニュアルの欠陥に対応することができなかったのか。
原因は「マニュアルの欠陥が見つかった時、それが直ちに訂正されなかったから」です。
最後に、5回目の「なぜ」です。
「なぜ」、マニュアルの欠陥が見つかった時、直ちに訂正されなかったのか。
原因は、「マニュアルを柔軟に訂正していくルールがなかったから」です。

ここまできて、ようやく真の原因にアプローチすることができました。

はじめのうちは戸惑うかもしれませんが、続けていくとスムーズにできるようになります。
なぜなぜ分析は、単なる原因調査ではなく、根本的原因の究明にもつながります。
最低3回は「なぜ」を繰り返すことが重要です。