なぜなぜ分析導入の4段階

シェアする

PR

なぜなぜ分析の導入に当たっては、4段階で導入することが効果的です。

第一段階は、なぜなぜ分析の持っている意味を認識する段階である「ガイダンス」です。
第二段階(Round1)は、分析対象領域の設定、現状把握、改善ターゲットの設定の3つの要点を構成要素とします。
第三段階(Round2)は、なぜなぜ分析を3ステップで実行します。
最後、第四段階(Round3)は、改善案を現実問題への導入です。
改善の結果を実現するために、それは重要な不可欠のサイクルです。

リンク広告

なぜなぜ分析第1段階:「ガイダンス」

なぜなぜ分析の第一歩は、なぜなぜ分析について、正しい認識を持つこと目指す「ガイダンス」段階です。

「ガイダンス」段階は3つの内容から成ります。

第1は「なぜなぜ分析」の目的の理解

実施者が真の原因の追究とチームワークの重要性について理解することが重要です。

第2はフレームワークに関する共通見解

共有されるべきポイントは、
自分の持つノウハウを利用し切ること。
KKD(勘、経験、度胸)偏重から論理思考に変わること。
KKD及び方法論重視のスタイルを変更しなければ、「なぜなぜ分析」を活かすことはできないでしょう。
一般に、企業には、多くの「批評家」や「コンサルタント」が存在します。
そういったマイナスの影響力のある声を弱めるためには、「現場、現物及び現実」の「三現主義」に基づいて「実行優先」指向を推し進めることです。

第3はなぜなぜ分析」のフレームワークの理解

なぜなぜ分析のフレームワークを言い換えれば、「施策の具体化」と「下方展開の重要性」という2点になります。
「施策の具体化」については問題ないでしょう。
わかりにくいのは、「下方展開の重要性」です。

欧米的経営手法は、問題の本質的改善=上位問題での改善、だとして、課題の「上方展開」の必要性を重視しています。
トップ・ダウン偏重企業の場合はそれでいいかもしれません。
しかし、日本企業の多くは「ボトムアップ重視」です。
すべての改善テーマを上方展開していては、経営成果を上げることができません。
したがって、「下方展開」が重要になるのです。


なぜなぜ分析第2段階:「Round1」

なぜなぜ分析は、「自分たちの有するノウハウを出し切る」ことだけでなく、「関係者(協力工場、材料調達先等)のノウハウの取り出しをガイドする」ことにも有効です。
そのような意見の一致を得た後に、「なぜなぜ分析」の実行段階であるRound1へ移行します。

Round1は、「分析対象領域の設定」、「現状把握」及び「改善ターゲットの設定」の3つステップからなります。

「分析対象領域の設定」では、分析の対象となる領域を明確にします。
はじめから領域を絞り込みすぎてもいけませんが、無限に領域を拡大していては分析が不可能になってしまうからです。
「分析対象領域の設定」のステップで重要なのは、部分最適化に陥ることを防ぐこと、チーム・パワーを活用して第一線のノウハウを集約することです。

「現状把握」では、現在の状況を正確に理解するためのデータ収集、処理及び分析を、明らかになった分析対象領域について行ないます。
「現状把握」のステップで、問題は定量的に理解することができるようになります。
KKD(勘、経験及び度胸)偏重はこのステップで排除されます。

「改善ターゲットの設定」で重要なのは、「尺度と数値目標」と「時間」です。
「改善ターゲットの設定」をすることで、目標を定量的に把握することができます。

「尺度と数値目標」は常にセットで設定されなければなりません。セットでない場合、改善目標は意味を失います。
また、必ず「時間」についてもターゲットとして設定しなければなりません。

なお、曖昧な改善目標を除去するのはこのステップです。


なぜなぜ分析第3段階:「Round2」

第三段階であるRound2では、「なぜなぜ分析」展開を3つのステップで実施します。「なぜなぜ分析」というフレームワークは明確で分かりやすいものです。ところが、実際に導入しようとすると幾つかの困難にぶち当たります。その代表的なものが「具体的実行手順」に関するものです。

  • 論理重視の仮説設定ステップ
  • 定量的検証重視の仮説検証ステップ
  • 改善の重点化ステップ

の3ステップに明確に分解しています。
ここで重視すべきは、各ステップを着実に『ステップバイステップ』で進めることです。
第三段階である「Round2」では、「なぜなぜ分析」を3ステップで実行します。

「なぜなぜ分析」のフレームワークは、それ自体明確で、分かりやすいものです。
しかし、実際に導入する際には、いくつかの障害にぶつかるでしょう。

典型的なものは、「具体的な実際の方法の手順」に関することです。

これらの障害を避けるために、「具体的な実際の方法の手順」について、

  • ステップ1:論理性重視の仮説設定ステップ:仮説の設定が、論理性に基づいて行われているか。
  • ステップ2:定量的検証重視の仮説検証ステップ:仮説の検証が、定性的ではなく、定量的に検証されているか。
  • ステップ3:改善の重点化ステップ:改善を重点的に行う箇所が明確にできているか。

の3ステップにわけ、それぞれについて考えていくことが重要です。

さらに、重要なことは、各ステップを「着実に」しっかりと進めていくことです。
一足飛びに結論に飛びつくことなく、「着実に」しっかりと「なぜなぜ分析」に取り組んでください。


なぜなぜ分析第4段階:「Round3」

最後、第4段階である「Round3」は改善案の現場への導入です。
つまり、改善の結果を実現するために重要かつ不可欠のラウンドなのです。

結果を獲得できない多数の「なぜなぜ分析」では、多くの場合「Round3」を省略していることに注意を払ってください。

リンク広告
リンク広告

シェアする

フォローする