特性要因図は、作成目的によって二つに大別されます。

未発生の問題を予防することを目的に、管理を必要とする要因をすべて列挙した管理用特性要因図と、現に発生した問題について、影響の強い要因及び問題と主要因の因果関係を明確にすることを目的に、データ(特徴)を収集して推定された要因を列挙した解析用特性要因図です。

管理用特性要因図と解析用特性要因図

管理用特性要因図とは

管理用特性要因図とは、未発生の問題を予防することを目的に、管理を必要とする要因をすべて列挙したものをいいます。言い換えれば、対策検討型、管理すべき要因の列挙が目的の特性要因図です。

管理用特性要因図は、実施前に作成するものなので、データがないものについて作成することになります。
管理すべき要因は、知識、経験及び理論からトップ・ダウンで列挙されます。具体的には、関係者の知識や経験等から、管理すべき要因を演繹的・系統的に列挙することになります。

解析用特性要因図とは

解析用特性要因図とは、現に発生した問題について、影響の強い要因及び問題と主要因の因果関係を明確にすることを目的に、データ(特徴)を収集して推定された要因を列挙したものをいいます。

言い換えれば、原因追及型、原因の探索が目的の特性要因図です。解析用特性要因図は、現に発生した問題について作成するものなので、データ(特徴)を収集して推定された要因から作成することになります。

管理用特性要因図の書き方・作り方

管理用特性要因図の目的は、あらゆる要因を列挙して予防策を講じることです。
ヒヤリハット活動では事故予防のための対策になります。

したがって、

1 問題の決定

問題(特性)は予防したい事故になります。

2 背骨(主幹)の作成

問題(特性)は背骨の右に書かれます。
問題(特性)に向けて太い矢線を左から右へ引いてください。

3 原因集約的な項目(大骨、大枝)の決定

問題の原因(要因)の集約項目を書き、そこから背骨に向けて太い矢線(大骨、大枝)を引いてください。

製造業等の場合には、大骨は4M(人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method))または5M(4M+計測器・測定方法(Measure))を設定します。

ヒヤリハット活動では、作業者側の原因、相手側の原因、ハード面の原因、周囲の環境の原因及び管理上の原因の5つに分けると検討しやすくなるでしょう。

4 集約的項目の細分化(中骨、小骨)

集約的項目ごとに、問題の原因(要因)を細分化し、それごとに中骨及び小骨をは書き入れていきます。
細分化は、終端が具体的なものになるまで行います。管理用特性要因図は、将来起こりうるトラブルの原因、つまり要因のリストです。
事故が発生する前に管理すべき要因をすべて列挙できるよう、絞込みは行いません。

解析用特性要因図の書き方・作り方

1 問題の決定

「問題はOOである。」とできるだけ具体的に設定してください。
ヒヤリハット活動ではヒヤリハット事例で示される重大事故になります。

2 背骨(主幹)の作成

問題は背骨の右に書かれます。問題に向けて太い矢線を左から右へ引いてください。

3 原因集約的な項目(大骨、大枝)の決定

問題の原因(要因)の集約項目を書き、そこから背骨に向けて太い矢線(大骨、大枝)を引いてください。
製造業等の場合には、大骨は4M(人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method))または5M(4M+計測器・測定方法(Measure))を設定します。
ヒヤリハット活動では、作業者側の原因、相手側の原因、ハード面の原因、周囲の環境の原因及び管理上の原因の5つに分けると検討しやすくなるでしょう。

4 集約的項目の細分化(中骨、小骨)

集約的項目ごとに、問題の原因(要因)を細分化し、それごとに中骨及び小骨を書き入れていきます。
細分化は、終端が具体的な行動になるまで行います。
解析用特性要因図は事故原因候補のリストです。
管理用特性要因図の場合とは違い、出来るだけ要因数が少なくなるよう、事前にデータを検討して、絞りこんでから作成するのがポイントです。

5 重要項目のマーク

特性要因図が一通り完成したら、結果に大きく影響していると思われる原因、要因の中で特に影響が強いと思われるものにマークをして強調します。

要因の絞込みは、データを検討して行います。
問題の特徴、発生する工程や時間等、データを検討して要因を絞りこみます。
また、すでに内容を理解できているのなら、詳細説明を加えておきます。