特性要因図は、特性及びそれに影響する様々な要因の関係を系統的・階層的に整理した図で、結果(特性)とその結果をもたらす原因(要因)とを整理するために用いられます。
特性要因図の活用方法
特性要因図は、以下のような場合に有効です。
- 未発生の問題について改善の手段を整理する。
- 現に発生した事故などの結果とその原因との関係を整理する。
これらのうちヒヤリハット事例の分析においては2が、予防策の検討においては1が有効になります。
特性要因図で系統的に表示することによって、複雑な情報を早く深く理解することができます。
なお、特性要因図で表示することにとどまらず、事故の原因と結果の関係について、実験計画法、重回帰分析法等によって要因と結果の関係が計量的に把握することも可能です。
特性(結果)yと要因xとの関係はy=f(x1,x2,…,xn)という、重相関関係になります。
要因と結果の関係を計量的にしっかり確認することで、本格的なアクションにつなげていくこともできます。
特性要因図は報告の説明資料として有効
もちろん、計量的な分析が求められない場面でも、原因と結果の関係を示すために特性要因図を活用することもできます。
例えば、特性要因図は報告の説明資料として有効です。
確かに結果と原因の関係を発見する、という特性要因図の本来の利用方法ではありません。
しかし、特性要因図を使うことでわかりやすい説明ができます。
特性要因図では、結果とその結果をもたらす原因とを階層的に整理されているため、問題と発生原因と考えられる事柄との関係がわかりやすくなっています。
そして説明資料として見栄えがします。
ヒヤリハット活動やQC活動等は個人の趣味ではなく、組織の一員として、組織活動を改善するために行うものです。
そのため組織構成員の誰もがわかるような報告が求められます。
したがって、特性要因図は組織活動において有効な手法となるのです。
特性要因図の要因の分類について
特性要因図は、結果(特性)とその結果に影響を与えている原因(要因)を、魚の骨のような系統図でわかりやすく示しています。
一つの結果に対して多くの原因を挙げていくことになるので、原因をあらかじめ分類しておくと整理された検討ができます。
製造業等では、4M(人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method))または5M(4M+計測器・測定方法(Measure))を使ってわかりやすく分類します。
ヒヤリハット活動では、作業者側の原因、相手側の原因、ハード面の原因、周囲の環境の原因及び管理上の原因の5つに分けると検討しやすくなるでしょう。
結果と原因の関係を一覧できるので、複雑に絡み合った原因を検討するのにとても便利です。