危険予知トレーニング(危険予知訓練、KYT)は、建設業や工場といった危険な作業に従事する作業者たちが、事故や災害を未然に防ぐことを目的に、その作業に潜む危険を事前に予測し、指摘しあう活動です。
危険(Kiken)のK、予知(Yochi)のY、訓練(Training・トレーニング)のTをとったものです。
現代人には思いつかない、「古」の匂いのする言葉です。

危険予知トレーニング(危険予知訓練・KYT)とは

危険予知トレーニング(危険予知訓練、KYT)は、住友金属工業株式会社(現・新日鐵住金株式会社)で1973年に開発されました。

一方、ヒヤリハットは、顕在化していないものの、重大な災害や事故に直結しかねない無症事故状態、一歩手前の危険な状態をいいます。
ヒヤリハットの語源は、危険を感じると「ヒヤリ」としたり「ハッと」したりするようなところにあります。いくらか「太古の語感」がするものですが、実態をよく表しているので、今でも使われています。
「古」の匂いのする言葉です。

両者の関係は、危険予知トレーニング(危険予知訓練、KYT)で、危険な作業の従事者たちが、その作業に潜むヒヤリハットを事前に予測し、指摘しあうことで、事故や災害を未然に防止しようとするものです。

危険予知トレーニング(危険予知訓練、KYT)を基本にした危険予知活動(KYK)もヒヤリハット活動(ヒヤリ・ハット・キガカリ活動、H・H・K活動)も、職場の安全と健康を守るため、事故を未然に防止するための手法です。

安全を重視する職場風土・職場文化を作るためは、組織に属するすべての職員が、安全が重要であるという共通認識を持ち、それに基づいた行動をとることが基本中の基本です。危険予知トレーニング(危険予知訓練、KYT)は、安全を重視する職場風土・職場文化を職場から生み出し、育て、定着させていく方法です。

安全衛生の基本は、働く人の安全と健康を守ることで、人間尊重の理念を実現しようとすることにあります。
働く人の安全と健康を脅かす災害や事故について、現実化する前に先取りして予測し、発生を予防することで、人間尊重の理念を現実のものとするのです。