ヒヤリハットマップは、簡単にいえば、ヒヤリハット事例を発生場所別にまとめた地図です。
顕在化していないものの、重大な災害や事故に直結しかねない、一歩手前の危険な状態にある具体的な事例であるヒヤリハット事例を、周辺状況とともに地図上にまとめることで、どこでどのような事例があったのかを視覚的にでわかりやすくしたものです。

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ヒヤリハットマップとは

ヒヤリハットマップは、交通、工場・製造業、建設業、医療・看護、介護、保育園などの分野で活発に行われています。
中でも交通分野での取り組みはもっとも充実しており、自治体、警察や運輸業をはじめとする企業がヒヤリハットマップを作成し、公開しています。

ヒヤリハットマップの作成方法・書き方

ヒヤリハットマップの作成の基本は、ヒヤリハット事例の発生した場所を地図上にまとめることです。
分野ごとに特徴的な事項もありますが、危険が潜む場所を視覚的にわかりやすく表示するという点が最も大事なことです。

1 ヒヤリハットマップの目的明確化

ヒヤリハットマップを作成する目的を明確にします。
目的によってヒヤリハット事例の収集範囲や用意する地図が違ってくるからです。
保育士さんが保育園内の危険予知のためなのか、地域の防犯の危険予知のためなのか、トラックドライバーが運転の危険予知のためなのか、目的によって事例収集の範囲も用意する地図も違ってきます。

2 ヒヤリハット事例の収集・分類

ヒヤリハット事例をできるだけ多く集め、発生場所を明らかにするとともに、発生原因や事故の種類に応じて分類します。
すでにヒヤリハット事例が収集されているのであれば、それらを活用します。
手元にないのであれば、ヒヤリハット事例に直面するであろう人にアンケートやインタビューなどを行って収集します。
労力はかかりますが、日時を決めてミーティングを行い、ヒヤリハット事例を出し合ってもらう方法も考えられます。

3 地図の用意

目的に合わせて、ヒヤリハット事例を表示する範囲の地図を用意します。

狭い範囲のヒヤリハットマップ

建物や敷地のように、狭い範囲のヒヤリハットマップを作成する場合には、建物の平面図が使いやすいでしょう。
また、校庭・園庭や駐車場のように一目で見渡せる範囲のヒヤリハットマップを作成する場合には、パノラマ写真を使うとわかりやすいものが作れます。

まとまりのある範囲のヒヤリハットマップ

エリアマップのように、地域のようなまとまりのある範囲であれば、ゼンリンの住宅地図をコピーして使うと、建物や歩道などの周辺状況も記載されているので便利です。
また、地理院地図を印刷して使えば費用をあまりかけずに作成できます。

広範囲のヒヤリハットマップ

ルートマップのように、広い範囲のヒヤリハットマップを作成する必要がある場合には、道路地図を使うと便利です。

また、利用できるのであれば、GIS(地理情報システム)を使うときれいなものが簡単に作成できます。

なお、Google mapのマイプレイスを使えば、範囲の広狭に関係なく作成・共有できるので、ネットでの利用が多いのであれば検討してもいいでしょう。

4 発生場所の表示

ヒヤリハット事例が発生した場所を地図に表示します。
発生原因や事故の種類ごとにわかりやすく分類して表示するとわかりやすくなります。
マークの色や図柄を変えるとわかりやすくなります。
この時タックシールを使うと簡単です。

ヒヤリハットマップの検討

ここまででヒヤリハットマップの「地図」部分は完成しました。
この「地図」のマークに対応するヒヤリハット事例の概要や改善案を表示すると、ヒヤリハットマップが一層わかりやすくなります。
また、ヒヤリハット事例がまとまって発生している場所については、改善案などをさらに検討することも必要です。

さらに、実際の事故事例がある場合には、ヒヤリハットマップと比較することも重要です。

ヒヤリハットマップの公開

完成したヒヤリハットマップは、掲示板に貼り付ける、印刷して配布するなど関係者に公開するといいでしょう。
関係者の危険に対する意識を高めることができるだけでなく、気づかなかったヒヤリハット事例が追加で見つかるなどのフィードバックも期待できます。

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