ヒヤリハットマップでは、ヒヤリハット事例を発生場所別にまとめて地図に表示します。
ヒヤリハットマップを作成する効果は、単にヒヤリハット事例の目録を作成することではありません。
ヒヤリハット事例の発生場所をわかりやすくまとめることによる主な効果は次のとおりです。
目次
ヒヤリハット情報の共有
ヒヤリハットマップを作成・公開することで、個々の作業者が持っていたヒヤリハットの情報を共有できるようになります。
ヒヤリハット事例について作業者同士の意見交換を容易にします。
作業者同士の意見交換は、ヒヤリハット事例に潜在する新たなリスクへの気づきを促し、ヒヤリハット事例のを深め、個々の危険感受性を高めてくれます。
危険の明確化
ヒヤリハット事例は顕在化していないものの、重大な災害や事故に直結しかねない、一歩手前の危険な状態にある具体的な事例です。
いわば事故と紙一重の状態であり、運よく事故にならなかったきわめて危険な状態です。
ヒヤリハット事例と同じような状況になってしまえば、いつ事故が起こるかわからないのです。
ヒヤリハットマップを作成・公開することで、ヒヤリハット、事故に至る危険が潜んでいるかが明確になります。
危険感受性の向上
もちろん、ヒヤリハットマップを作成・公開したからといって、あらゆる危険が明確になるわけではありません。
察知できない危険が潜んでいることもあります。
それでも、危険が潜んでいる状況を視覚的に明らかにすることで、作業者の危険察知の助けになるとともに、危険感受性の向上を促すことができます。
ヒヤリハットマップの随時更新の必要性
ヒヤリハットマップは作成・公開した後も、適宜更新していくと上記の効果が一層高まります。
ヒヤリハットマップを作成することで作業者の情報が共有化され、危険が明確になります。
その結果改善策が実施され、ヒヤリハットが発生することがなくなります。
また、作業者の危険感受性が高まると、それまでは察知できなかった危険を見つけることができるようになり、新たなヒヤリハットが発見されるようになります。
すると、ヒヤリハットマップが現状を反映していないものとなり、役に立たなくなる時が来ます。
そうなる前に随時ヒヤリハットマップを更新することが必要になってきます。
新たに見つかったヒヤリハット事例を追加して表示することだけでも効果に違いが出てきます。
確かにヒヤリハットマップの更新には手間はかかります。
しかし、それは職場の安全環境が整ってきている証です。
作業者はもちろん、管理側も積極的に評価し、取り組むことが重要です。